グローブ・ジャングル

公演名
  劇団芋の華最後の公演2025

脚 本
  鴻上尚史

演 出
  恭 恵子

日 時
  令和07年(2025年) 11月
   02日日曜日開演18:00~(開場17:30~)
   03日月曜日開演13:00~(開場12:30~)

場 所
  栗東芸術文化会館さきら

出 演
  わたなべなおと
  和田彩也佳
  門木 祐子
  内田 弘子
  宮川 芽弓
  岡野 友佳
  藤岡 理恵

  岩城 真也(IMAGI)
  上田 真平(劇団okapi)

  恭 恵子

チラシ表
チラシ裏
当日パンフ表
当日パンフ裏

管理人のかなり適当なあらすじ
昔、休み時間になるとダッシュで向かったグローブ・ジャングル。
あんなに夢中で遊んだあの場所も、
「危ない」という理由で、いつの間にか姿を消した。

楽しい思い出がたくさんあるはずなのに、
気づけば子どもたちから遠ざけてしまう大人になっていた――。

そんな大人たちが、それぞれの悩みを抱えながら、
もう一度、グローブ・ジャングルの前に集まります。

劇団芋の華が最後に選んだこの作品。
その理由を、きっと感じてもらえるはずです。

YouTube動画



管理人のかなり自己中心的な感想

ついに、とうとう最後の公演、終わってしまいましたねぇ。
そして――おまちかね?の、カドキの最後の思いの丈のつまった長ーい感想ですよ。
最後だから、もう長くていいよね。

今回はねぇ、演出の恭さんが言ったんですよ。
「グローブジャングルが最後、地球になりたい」って。

は?
グローブジャングルと地球は別物ですよ?
共通点は丸いだけですよ?

……という私の心の声は華麗にスルーされ、
まあ、それでも私も考えるわけですよ。
どうやったら「グローブジャングルが地球に変わる」を表現できるかを。

最初は、グローブジャングルをバルーンで作る案もあったけど、
そこは今回参加してくださった安井企画の安井さんが、
頭をしぼって見事にグローブジャングルを作ってくれました。
――バルーンじゃなくてよかったよ、ホント。

さて、そのグローブジャングルを地球に変える方法。
最初は照明でやろうと思ったんです。
でも、どう贔屓目に見ても、ただ青く染まった物体にしか見えなかったのですよ。

今回の舞台は途中で「ブログ」が出てくるので、
プロジェクターを使うことは決定していて、
うまく映ればいいなという淡い期待と、大きな期待が入り混じる中で、
グローブジャングルが地球に変わる動画を作っていました。

それが「使えそうだ」ということになり、
グローブジャングルに地球を映す方式が採用されたんだけど――ここからが長かった……。

プロジェクターの画角と、実際のセットのグローブジャングル、
動画の地球のサイズを一致させる必要があるんだけど、これがねぇ、簡単に合わない。
合わせても今度はブログの画角サイズが合わなくなる。
今回、私、久々に仕込みの日に徹夜しましたよ……。

ラストの動画も、最初は「グローブジャングルが地球に変わる」だけだったんだけど、
ほら、私ってば凝りだすと止まらない性格で。
どんどん増えていって、最初は脚本通り「ベルリン日本人学校での写真」だけだったのが、
過去の芋の華公演の写真が加わり、
「過去50年の作品も入れなきゃ」となり、上演作品の一覧を加え、
「劇団員もいるんじゃない?」って話になって、恭さんが作ってくれたリストを加え……。

一番最初にもらった劇団員リストに私の名前がなかったのは、笑い話だけど(笑)

私、この3分20秒の動画に、いったい何時間かけたんでしょうねぇ。

ちなみに、動画制作は今回が初挑戦。
AIに教えてもらいながら、
「ボタンがない」とか「アップロードできない」とか言いながら、
物分かりの悪い私に懇切丁寧に教えてくれました。AIちゃん、ありがとう。

でも、感想の多くに「ラストの地球が回っているシーンが良かった」とあって、
ああ、私の苦労は報われたなぁと思いました。
そう、地球を苦しい態勢で人力で回してくれた安井企画の安井さんのおかげです。

そして、当日プロジェクターの操作をお願いした川原田さん。
動画の完成がギリギリになったうえに、慣れない操作で、
当日はこっちまで緊張がうつりそうなくらいのプレッシャーの中でやってくれました。

多くの時間を動画制作に当てちゃった私だけど、照明もするわけで……。
今回は、照明も本当に大変だった。

私は基本的に暗転が好きじゃないし(役者としても照明スタッフとしても)、
恭さんも暗転を好まないので、
今までの芋の舞台では、照明のキッカケって50個あるかないかだったんだけど、
今回は170を超えたんですよ……。初ですね、ここまで多いのは。

でも、場所が違うから照明は変えるしかない。
いくつもの時間軸が入り混じる舞台で、
役者たちも場転の順番に四苦八苦しているのに、
お客さんは当然初見。
照明で変化をつけなきゃ、意味が伝わらない。
――その結果の170オーバーのキッカケです。

プロジェクターが終わらなくて、本番1週間前にようやく照明打合せ。
当日のオペをお願いしていた川並さんには、本当に無理を言いました。
でも、あの膨大なキッカケを本番でサラッとやってのけた川並さんは、さすが。

(ほら、私は考えるだけで言いっぱなしみたいなもんだからね。)

照明でこだわったところは、ラストの方でグローブジャングルが赤く染まるシーン。
あれは想像以上に上手くいったと自画自賛。

さて、最後に役者としての私です。
今回は場転の多さと時間軸のずれで、本当に苦労しました。
いや、大混乱しました。

練習で違う衣装を着て出そうになったこと、数知れず。
出トチリの数も、もう覚えてません。

当日も照明とプロジェクターでクタクタになる予想がついていたので、
「ささやき島津さん」にお願いしました。
大変助かりました。きっとささやかれなければ、出トチリしてたでしょうねぇ……。

今回いただいた役は「北野」。
一言で表すなら、「一生懸命な人」。
一生懸命だけど、どこか空回りしてしまう人。

ちなみに北野が演劇を辞めた理由(私の妄想ですよ)は――大事なところで噛んじゃうから。
ええ、私と一緒ですよ。
大事なセリフが噛んで言えないのは……。

噛んでしまうけど、演劇が大好きだから、ところどころセリフが大げさになる。
そんなひそかな設定を、恭さんが止めなかったのは、
きっと私の「やりたい北野」を汲んでくれたんでしょうねぇ。

それにしても――2時間作品をなめてましたね。
セリフがいつもより多い。
覚えても、覚えたそばから抜けていく。
抜けていくから場をつなごうとして自滅する。

私、練習で何度自滅したでしょうか……。

でもね、ホントのラスト、千秋楽公演は――
噛んじゃったけど、全部のセリフは言えたのよ。

今回は、本当に限界以上に頑張ったと思います。
「これが最後」と思うと、やらずにはいられなかった。
最後だからこそ、心残りだけは嫌だった。

これが、本当の“完全燃焼”。

我が舞台人人生に一片の悔いなし。
(ラオウ風に読んでね。)


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